サンスイスピーカーの修理

 

基本的には、ビンテージ物の修理はしないのですが、知人から相談された事もあり、久しぶりに25年ほど前のスピーカーの修理対応しました。

物は、その昔の有名メーカーだったサンスイのミニコンポで、セットになっていたS-a7というスピーカーです。
15リッター位の大きさでしょうか? ウーハーは16㎝の2Wayバスレフ形です。
今でもお持ちの方も多いようで、ヤフオクなどで時々見かけます。故障の原因?は必ずウーハーのウレタンエッジの劣化です。
通常の電気製品では、耐久年数を遥かに超えていますので、メーカーに責任はありません。

開けてみると丁寧に作られ、かなりのこだわりを感じます。
どちらかと言えば安価な商品ですから、コスト的にも大変だったでしょう。

早速、近似値のエッジを取り寄せ交換しましたが、コーン紙もかなり劣化していたようで、テストの際にボイスコイル付近から破れてしまい、取り寄せ部品ごとパーになってしまいました。
そんなことから、急遽限りなく近いウーハーを入手し全く別の部品と交換する大修理になってしまいました。
当然ながらユニットが変われば、既存のネットワーク回路は使えず、ましてやインフィーダンス6Ωが8Ωになりましたので、計算上でもかなりの違いが発生します。
既存のアルミ枠もはまるように手を入れ、元々の設計意図を継承するように全てを見直しました。

何を変えたかまとめるとこんな感じです。

・ユニットごとの測定をして、4KHzでのクロスオーバー回路の調整。
・ツイーターの回路を12dB/octから18dB/octに変更。(ウーハーは既存の6dB/oct)
・同規格のウーハーの調査と手配。
・ウーハーにキャンセルマグネットを用いて、中音域の能率を向上させる。
・ツイーターとのバランスから、能率調整のセメント抵抗を追加。
・バスレフポートを同径で4.5㎝延長。
・グラスウールとペーパーの吸音材を追加。
・既存のアルミ枠の設置のためのウーハーフレームの加工。


せいぜいこんなところでしょうか。既存のウーハーは現在の物より非力だったようで、今のパワフルなウーハーに変えると箱鳴りがひどく、ポートや吸音材等そのための対策です。
細かい理由を書き出すと大変なので割愛しますが、元の音を知らないので、持ち主が納得出来るか、今までの良さを残せているか非常に心配でした。

昨日、こちらで試聴してもらい、その後納品できました。
表現力がアップしたようで、気に入っていただけたのでまずはほっとしています。


尚、S-a7のウーハーですが、ダンパーやコーン紙もそれなりに劣化しています。
エッジ交換はしましたが、ダンパーもヘタっているのでボイスコイルのこすれが調節できません。
エッジが切れて力がなくなり、ダンパーだけで横向きに置かれて長く放置された物では、一般の方ではとても修理は困難です。
安く済まそうが失敗でした。