テスト状態


激しく外観は悪いのですが、テストBOXを作り早速ネットワーク回路の設計に挑戦。 ウーハーとツイーターを独立させ、ツイーターの位置を前後させて、シュミレーションと実測値の差を調整しながら位相を合わせています。

完全なやり方ではないのですが、パソコン上でシュミレーションした回路を使い、それを実測で想定し、結果を見ながら計算値と実測値のずれを修正して行きます。 そうする事で、ツイーターの前後位置が決まったデザインでも、それに最適な回路を選ぶことが出来ます。 要するに、同一面(同じバッフル面)にウーハーとツイーターを設置した状態での最適な回路設計を見つけ出すわけです。

同一面での設置の場合、位相のずれはツイーターには奥行きが無く、ウーハーと比べて前から音が出る形になります。 基本的には、ボイスコイルの位置を合わせるのですが、ユニットの種類などで必ずしもボイスコイルの位置で決まる訳ではない様です。 そのため、計算上の0㎜が実測ではどの位置にあるのか確認し、それを都合の良い位置に動かした距離をシュミレーションに入れ込み更に回路設計をやり直します。

作業的には大変ですが、パソコン1台と測定ができるマイクが有れば誰にでもできます。詳細は公開できませんが、知りたい方はお問合せ下さい。 ただし、最低限の設備で考えたやり方なので、正しいとは言えないかもしれません。

で、テストBOXの側面に、別のウーハーの様なものが付いてますが、それはパシップラジエータです。昔のドローコーン。
言葉で説明するのが難しいのですが、バスレフは、有る所の低域を強くしますが、その周波数より直下の周波数が落ち込みます。 一般的にはその周波数より上の範囲を有効周波数帯とします。パシップの場合、密閉型とバスレフの間の様な特性で、 ある程度は低域を強化しますが、バスレフの様な落ち込みは発生しません。 この商品開発では、重低音を求めるのではなく、深い低音を求めました。その為パシップラジエータを選択したわけです。

20㎝程のウーハーであれば、密閉型でもそれなりの低音は望めるでしょうが、15㎝(5.5インチ)では、それなりの工夫が必要です。

今のところの印象では、40Hz付近でも十分感じられ、狙い通りの深い低音です。それほど弱い印象はありません。(重低音とまでは言えませんが) 中音域は艶やかで、厚みのある印象。高域にかけて透明感があり全体的に落ち着いた音の印象です。 高級機にふさわしい感じになってきました。

欠点は2つ。1つはパシップは幾分遅れた印象があり、それをどこまで解消できるかと、もう一つは、大パワーのアンプでないと、正確にドライブできない事です。 今使っているのは片側75W程度のLM3886 BTLのアンプです。それでも瞬発力が出し切れない感じがします。 ユニット自体のポテンシャルは、もっと上になるようです。スピード感を表現するには、大パワーか超高額アンプになると思います。 メーカーやその質でも変わりますが、一般論として30万のプリメインアンプではNGでしょう。 セパレートアンプで、パワーアンプが70~100万位の製品で丁度の様です。(トランジスタアンプの場合)

これは、ボイスコイルが3インチも有るウーハーユニットの特性で、弊社の主義ではありません。 ですが、オールマイティーな製品を作っている訳でもないので、このまま進めようと思っています。